真夜中。
午前12時40分。
場所、NY市のクイーンズの某所。
80人ほどの群衆が地下鉄の駅の出口にたむろしている。
疲れた顔。不満そうな顔。怒った顔。。。
誰一人として楽しそうな表情の者はいない。
人種構成、黒人90%、白人1%、ヒスパニックなど有色人種9%、
黄色人種の外国人1名(私)を含む。
そこへ警察の車が近づいてくる。
群衆に尋問するかと思いきや、何も見なかったかのように、
群衆の横をゆっくり通り過ぎていった。
若い黒人女性が吐き捨てるように言った。
「一体どこにバスが待ってるってのよ。このクソッタレMTA!!」
皆、大きな通りを見渡してバスを探す。
10分ほどたったころ、突然、通りの向こう側にバスが2台現れる。
誰かが広い通りを渡ってバスに近づきバスの中の人物と何やら話をしてる。
バスの中にいたMTAの職員と思しきその人物は、バスを降りて我々のほうに近づいてきた。
「バスは別の場所で待っていたんですけど、誰も来なかったので出発したんです。」
その発言をきっかけに群衆の不満が爆発した。
「普通、地下鉄の代わりに出したバスなら、駅の出口近くで待ってるべきだろ。」
「早くバスを呼んでこい!」
皆、口ぐちに文句を言っている。
困った顔をして、男性はバスに戻り、2台のバスを通りのこちら側に連れてくる。
ようやく、バスは群衆の目の前に停まり、前方の入り口が開く。
「後ろのドアも開けろ!」、「早く開けろ。」、「後ろのドアって言ってるだろ。」
恐れをなした運転手は後方のドアもあける。
我先に乗り込もうとする群衆。
一種の混乱状態。
私も急いでバスに乗り込む。
乗り遅れたら大変だ、次はいつ乗れるかわからない。
次々と群衆は狭い車内に乗り込み、
こうして、真夜中の満員バスが2台、
Jamaica Center駅向けて出発したのだった。
(To be continued.)
"The Shock Of The Lightning" by Oasis