帰国する日の朝、空港に行くために6時半に友人のアパートを出た。
大きな通りへの道すがら、何人もの僧が托鉢するのを目にした。
くすんだオレンジ色の衣を身にまとい、黄色い壺を手にかかえている。
足元に目をやると、裸足である。
いつも出掛けるのはもっと遅い時間だったから
早朝に僧が托鉢しているなんてその日まで知らなかった。
タイ人の女の子が言った。
「タイの人は僧に寄付すると天国に行けると信じてるのよ。
だから、皆喜んで寄付するのよ。」
そんな風に徳が貯金できたらいいなと思う。
でも、単純にそう信じられることの強さを思った。
また、或る日、とある寺院に行くと、人の行列に出くわした。
近よってみると、どうやら、僧の出家の儀式のようだった。
大きな傘の下を歩く出家前の白衣をまとった者の後ろに、
その家族や友人と思われる人々が続く。
出家者は寺院の中に入るとしばらくして出てきた。
家族や友人たちは寺院の入口で出家者と写真を撮ったりしている。
まるで、結婚式みたいな祝福ムードがただよっている。
その後、主家者は寺院の入口に立って、
家族に渡された皿に盛られた何かを
寺院前に待っている家族や友人たちに向かって投げ始めた。
その何かはキラキラ空中で煌めきながら、皆の上に落ちていく。
皆、必死にその物体を拾っている。
私も友人も、何だかわからないけれど、人々に交って拾い集めた。
そして、私達まで祝福されたような気持ちになった。
後で友人が言った。
「あ、これ、コインだ。」
コインがひとつひとつ綺麗に布やテープで花のような形に包まれていた。
2010年3月28日日曜日
2010年3月22日月曜日
ゆでダコと104段の日々
「暑っ!!」
毎朝、友人のアパートから一歩出た瞬間、
思わずつぶやいてしまう一言だった。
そう、真夏のタイは思ったよりも手強かった。
朝から太陽はギラギラと照りつけ、気温は30度台後半、
そのうえ日本に負けず劣らず、湿度が高いときている。
肌が出ている部分には、もれなく日焼け止めを
塗りたくって出かけても、直に汗で流れ落ちてしまうようだった。
つばの広い帽子をかぶり、腕には日焼け防止のアームカバーをつけた。
サンダルをはくと足の甲が日焼けするとの理由で
ながいジーンズにスニーカーをはいた。
帽子を被ると頭が蒸されるように暑いが
顔の日焼けを考えると帽子を脱ぐわけにはいかない。
アームカバーだって、外したらきっと
腕が直射日光で痛いにちがいない。
そんな理由で、真夏のバンコクを『なるべく涼しく』というのとは正反対の、
ますます体感温度を上げるようなイデタチで闊歩する私であった。
タイの人々から、ちょっと変な眼で見られていたにちがいない。
でも、しょうがないのよ~。美白命だから!
友人のアパートから最寄りのスカイトレインの駅まで徒歩15分。
もうすでに、かなり汗をかいている。
スカイトレインは地下鉄と異なり、上空を通っているから
スカイトレインというのである。
そして、駅の階段を上る前に一瞬たじろぐ私。
私の目の前には、かなり長い階段。
数えてみると、駅の改札口まで60段、
そして、改札を入ってからホームまで44段。
毎日、観光にでかけるために、合計104段の階段を上る日々だった。
上りきった頃には、ますます暑く、
観光に出かける前に、もうすでに、ゆで蛸状態だった。
2010年3月1日月曜日
とうとう3月
土曜日にスーツケースが届いた。
丁度、中位の大きさのスーツケースを
持っていなかったのでネットで購入したのである。
届いてみてびっくり。
よく見ると、ファスナー式だった。
私の好きな色、真っ赤なスーツケースだ。
この真っ赤なスーツケースを持って、
バンコクに遊びに行く予定である。
今、バンコクは真夏らしい。
35℃位あるらしいが、
ここのところすっかり冬に慣れている
私の体が順応できるのか少し心配である。
夏服はかさばらないのがいい。
スーツケースにいれても自然と空きができるので
お土産もいれらてよい。
タイ式マッサージや、安くて美味しいタイ料理、
きらびやかな仏教寺院や、世界遺産のアユタヤ、
それに水上マーケット。
でも、一番楽しみなのは友人に会えることである。
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