10日ほど前のことになるが、伊勢丹に行ったら
2階のエスカレターを登った所に
何やらひっそりと展示があった。
よく見ると、『吟遊詩人ビードルの物語展示公開』とあるではないか。
小さなガラスケースの中に小さな本が展示されている。
そのガラスケースの傍には警備員のおじさんが一人立っている。
『吟遊詩人ビードルの物語』(〝The Tales of Beedle the Bard”)とは、
ハリーポッターの作者のJ.K.ローリングが手書きで書いた
この世にたった7冊しかない童話のことである。
物語だけでなく、イラストも彼女が描いている。
7冊のうち、6冊は彼女が誰かにあげてしまって
残りの1冊がサザビーズでオークションにかけられ、
約4億5千万円で Amazon.com が落札したのである。
まさか、こんな処に本物があるわけない。
でも、本物じゃないなら、警備員は要らないか?
なんて、いろいろ思いつつ、警備員のおじさんに訊いてみた。
「これって、まさか、本物じゃないですよね?」
もう最初から否定疑問文である。
「いえ、本物ですよ。」
「ええ~、すごい~!!」
興奮して友達にこの本の説明をする私。
本は閉じられた状態で展示してあった。
表紙には銀の骸骨の美しい装飾が施されている。
骸骨の目や四辺にあるモチーフにはムーンストーンが埋め込まれている。
中身こそ見られなかったものの、本物が見られて貴重な体験だった。
奇遇にも、その前夜、私はこの本を(もちろんコピー)を
Amazonで購入予約したところだったのだ。
その数日後にはこの本は日本から離れるという絶妙のタイミング。
まるで、魔法で本が私を呼び寄せたみたいだった。
写真撮影は禁止されていたため、
以下はAmazon.co.jp に掲載されている写真。